新築分譲マンションの価格決定システム

皆さんは、不動産というのはどのようなシステムで価格決定していると思うでしょうか?目の前のマンションが、どのような理由で、その価格で売られているのかについて、お話していきたいと思います。ディベロッパlが、マンション販売事業を行う場合には、まず用地の取得から始まります。この用地の仕入れは、通常は売りに出ている土地から仕入れてきます。各ディベロッパlの開発部という部署(会社によって、多少名称の違いがあるかもしれませんが:::)の社員が、いろんな不動産会社を回って、売り出している土地情報を仕入れています。また、不動産業者巡りで人脈を築いて、土地の販売情報をFAX等で送ってもらい、売り出し土地情報を入手しています。バブルの頃は、売りに出されていない不動産を仕入れるために、地上げや土地転がしなども行われていましたが、現在では、そのような話もめっきり聞かなくなりました。嫌がる住民を金に飽かして追い出すのは、効率が悪いですし、結局仕入原価が高騰する理由になりますので、やる不動産会社がなくなったのでしょう。そのため、不動産会社が買っている土地は、不動産業界で出回っている売りに出されている土地ということになります。ただし、魅力的な土地は、購入しようとするディベロッパlも多くなりますから、ります。入札では、購入希望者が複数参戦し、価格を吊り上げていきます。そして、たデイベロッパlが、土地を仕入れることに成功するわけです。いきおい入札とな一番高値で落札し
ディベロッパーはどのような理由で、土地の価格を決めて購入しているのでしょうか?ディベロツパlが、購入する土地の価格を決めているのは、一言で言えば、相場観です。相場は場所ごとに違い、たとえば目黒の学芸大学ではこれぐらい、杉並区の阿佐ヶ谷ならばこれぐらい、というものがあります。ただし、そこはプロですから、その相場観を反映させる考え方は、当然素人の方とは違います。たとえば、ある場所に300坪(1坪は、約3・3d。300坪ならば、約990d)の土地が、6億円で売りに出ていたとしましょう。1坪あたり、200万円です。土地仕入れのプロは、ここから、=種いくら」という考え方をします。不動産業界にいたことがなければ、この「一種」という言葉は聞いたことがないと思います。これは、不動産の容積率が大きく影響してきます。容積率というのは、敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合のことです。たとえば、容積率が400%であれば、敷地に対して、400%(4倍)の延べ面積の建物が建築可能になるわけです。たとえば、100ぱの土地で容積率400%の建築物を、仮に敷地いっぱいに建築する場合、4階建
てが可能になります。また、敷地の半分(印ぱの部分)に建物を建築するのであれば、8階建て(印ぱ×8H4002m。敷地100dの400%)の建築物が可能になります。この容積率というのは、基本的には都市計画で定められます(前面道路の幅員がロメートル未満で狭い場合には、容積率が規制を受けて小さくなります)。容積率が400%の土地と容積率が200%の土地では、価値が全然違います。あえて単純に言えば、一方は4階建ての建物となり、一方は2階建ての建物しか建たないことになります。新築マンションは、専有部分(各部屋)ごとに販売するわけですから、4階建てのマンションと2階建てのマンションでは、売れる部屋のマンションの数が決定的に異なります。総販売価格が大きく異なるわけですから、土地の仕入れ価格も、容積率に大きく影響されることになるわけです。そこで、「一種いくら」という考え方が出てきます。これは、土地の価格を階ごとで、表した言葉です。先程の例で言えば、300坪で6億円で1坪あたり、200万円だったわけですが、これが容積率500%であれば、5階建て分が可能ですので、すごく単純に考えれば、約200万円÷5で、-種あたり却万円となるわけです(実際には、販売価格に転化できない廊下などの共用部分を引きますので、これが、同じ300坪6億円で1坪あたり、200万円の土地であっても、2階建てしか建たないのでしたら、200万円÷2で、-種あたり100万円となるわけです。5階建てのマンションが可能か、2階建てのマンションが可能かでは、同じ300坪の土地が6億円で売りに出されていても、全く意味が違うことになるわけです。ですので、不動産会社が物件を紹介する場合には、「東中野の土地200坪が、-種叩万円で売りに出ていますが、いかがですか?」という案内になるわけです。さて、土地の仕入れ値は価格決定の重要な要因ですが、他にもいろいろな費用を考えていく必要があ
ります。まずは、建築費です。マンションを建設する費用ですが、これはゼネコン(建設会社)に支払います。この建築費も、世の中の影響をかなり受けます。ちょっと前ですが、中国が鉄を大量に輸入したために、国内の鉄骨が引きずられて、高騰したことがありました。マンションは、コンクリートも使いますが、鉄筋や鉄骨を大量に使いますので、鉄の相場が高くなると、マンションの建築費も上がります。地価公示などを見て、土地の値段が上がっていないのに、なんでマンションの売り出し価格がこんなに高くなっているのか?と疑問を感じることがあれば、実は、鉄の相場が上がっていて、マンションの建築費が上がっていたからなんてことも、あるわけです。これよりも1種あたりの価格は高くなります)。鉄ばかりでなく、それ以外の材料費等が上がることで建築費も上がることは充分に考えられます。さらに大工などの人件費が上がることもあります。これは、大工や鉄筋工などが人手不足に陥った場合な
どに、よく発生します。特に、大地震などがあって復興需要があると、現地に大工などが取られてしまい、にん〈だい被災地以外では入手不足になり、人工代も上がります。これもまた、建築費を押し上げる要因となります。さらに、外壁を総タイル張りにするかどうかとか、大理石などの自然石を使、っかどうかとか、エントランスにお金をかけるかどうかとか、内装はどうするか、などにより建築費はピンキリになるわけです。このような様々な要因によって影響を受けながら建築費が決まるわけですが、普通のグレードのマンションで、たとえば却戸ならば、5億円位で建築してくれるかと思います(さまざまな条件によって、当然変わりますので、あくまでも一例です)。これ以外でも、モデルルームの建築費5000万円、広告宣伝費4000万円、近隣対策費1000万円、その他人件費、租税公謀、水道光熱費、金利などを含めて、-億3000万円かかると考えてみましょう。すると、土地代金5億円、建築費5億円、その他1億3000万円で、計日億3000万円。ディベロツパlの利益目標は、叩%程度ですので、日億3000万円・一0・9H約ロ億5556万円が、総販売価格となります。却戸ならば、約ロ億5556万円÷却戸H約4185万円となります。マンション1戸あたり、約4185万円で売れれば、利益も出て、マンション事業として成り立つことがわかります。ところで、素人の方は、どうしてもグロス(緯価格)で考える傾向があります。たとえば、「3LDKのマンションが3000万円だけど、これは安いかな?」という聞き方をします。不動産のプロから見ると、このような質問では、判断がつきません。そのマンションは、一体、何坪または何平米なのか?たとえば、l坪あたりいくらかで考えるのが、プロの考え方です。3LDKといっても、小さければmd位からありますし、大きい物では100d超のものもあります。通常だと、侃dl行ぱ程度です。
そんなに面積の差があるのに、「3LDKのマンションが3000万円だけど、これは安いかな?」という質問に答えられるわけがありません。話を元に戻しますが、却一戸のマンションで平均約4185万円で売れば利益が出るということで考えてみると、-坪あたり、またはldあたりの平均で、いくらになるのかが見えてきます。たとえば、侃ぱのマンションで約4185万円であれば、12mあたり約臼万円。-坪あたり、約209万円ということになります。この1坪あたり、約209万円で販売して、売れるかどうかを予想することが、最初に考えた土地を5億円で購入して、マンション事業がり立つかどうか、という判断の分かれ目になるわけです。ここで、売れるかどうか判断するには、今までその地域の近隣にどのようなマンションが建ち、どのような実勢価格で売れたかというデlタが重要になってきます。不動産業界では、東京カンテイ等の会社が、マンションの成約価格等を有料で公表していますから、直近で近傍のマンションが坪いくらで売れたという情報を手に入れることができます。駅からの距離や、グレード、ブランド力などの補正を加味し、仕入れようとしているマンションの値に換算します。このときに、直近で1坪あたり230万円で売れていれば、-坪あたり約209万円ならば完売する可能性がありますから、「よし、これは儲かるから5億円で仕入れよう」という判断になります。この場合には、1坪あたり、約209万円よりも、もう少し高く売り出す可能性もあります。逆に、直近で1坪あたり180万円でしか売れていないならば、-坪あたり、約209万円で売り出したならば、苦戦する可能性が高くなります。リlマンショック前のプチバブルの頃でしたら、それでも価格が上がることを期待して土地を5億円で購入したかもしれませんが、今では、そのような不動産価格の上昇を見込んでの土地購入はほぼ難しいと言えるでしょう。では、採算ラインがギリギリの場合には、ディベロッパlはどうしているのでしょうか?実は、そのような場合でも、ディベロツパlは結構土地を買っているのです。なぜならば、不動産会社は何もしなくても、事務所経費、税金、人件費、金利など、多くの費用が毎月かかっているわけです。たとえ事業収支がトントンであっても、働いている人聞を食わせるために、何らかの事業を展開する必要があります。そのため赤字にならないと見込めば、土地を仕入れているわけです。しかし、こうした高く売れないような物件こそが、当初予定していた価格帯での販売不振につながり、値引きに応じざるを得ない状況を簡単に作り出しているとも言えるわけです。このように、マンションの価格というのは、土地の仕入れ等にかかった経費に、利益を上乗せし、その近辺の土地の相場を考慮に入れながら、決定して行くのがパターンです。